249-2 Barbizon 23 ANNEX

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

空間の魅力が付加価値を生んだ新たな商業施設

テナントビルをはじめとする商業施設は、そこから多くの事業収益を上げることが期待されるため、一般的に敷地がもつ法的ポテンシャルを最大限に使い、可能な限り専有面積がとれるよう設計するのが常道である。また入居するテナントの多種多様な要望にも柔軟に対応できるよう、必要に応じて小さく分割できるよう計画することが求められる。
本建物も当初はその定石に従った設計を行い、天空率緩和を使った外階段4階建の計画案は、容積率をほぼ使い切った自信作であった。
しかし専有面積を最優先させたその計画は、一方でELVが無く、階高も低い窮屈なプランとなり、特に上層階への客誘導が難しいとの指摘を受けた。

商業施設でお客様を誘導できない建物は致命的である。必要な専有面積確保とテナント訴求力をどう両立していくか?
その難題を解決し、計画の方向を決定づけてくれたのは「面積ではなく空間の魅力を売る」とする、バルビゾンの伊藤社長の明快な解答であった。同じ専有面積でも、高い天井や開放的な空間、魅力あるデザインに価値を感じてもらえれば、周辺相場に左右されないプレミアムが生じる。

「Barbizon23 ANNEX」は、知る人ぞ知る表参道の小路にこうして生まれた。
コンクリート打放しの外壁と、木質の軒天・袖壁で囲われたガラス開口を通し、容易に奥まで見通すことができるこの建物は、テナントがアピールしたい商品やサービスを魅せるショーウィンドウとして機能している。内部階段で一体化された2階も、視覚的、心理的なバリアを感じることなく自然に誘導され、1階に匹敵する不動産的価値を持たせている。
RCラーメン構造ではあるが、無柱・無梁のシンプルな内部空間を有し、高い階高と開放的なサッシによって、面積では表せない空間の魅力を創出できたと考えている。
また本建物は規模的に省エネ法の適用を受けず、外壁の断熱工事もテナント内装側という、所謂スケルトン渡しではあったが、空間の付加価値が重視されるという建物の性格上、通常はコンクリート素地のまま引き渡す内部の壁や天井にも、化粧打放し仕上げとしてのクオリティーを求めた。
内外四方すべてが化粧打放しという難易度の高い施工ではあったが、綿密な打設計画と現場監督、作業員等の努力と技術により、切れるようなピン角の素晴らしい仕上りとなった。
この建物に命を吹き込んでくれるのは、どのような人たちであろうか。
ひっそりとしたこの小路に、新たな商業施設が生まれた。
コロナ禍のこの街に人の波が戻る日は近い。

(計良篤美氏/リバックス建築環境計画 談)

 

Barbizon23(竣工時)
敷地面積:533.97㎡
旧容積率:160%
許容容対面積:852.93㎡≦854.35㎡

Barbizon23ANNEX棟(新設)
敷地面積:93.61㎡(旧駐車場部分)
新容積率:240%
許容容対面積:128.86㎡≦224.66㎡(95.80㎡残)

Barbizon23 (現況)
敷地面積:440.36㎡
新容積率:240%
許容容対面積:852.93㎡≦1,065.86㎡(203.92㎡残)

 

所在地:港区南青山5丁目
構造:RC造
規模:地上2階
用途:飲食物販店舗
企画:㈱ビージーアイプランニング
設計・監理:㈱リバックス建築環境計画
施工担当:池上、石井(祥太)
竣工:2020年9月
撮影:アック東京

 

2020年12月13日 at 12:17 AM