261-2 シェノン三軒茶屋

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

シンプルな中にも選択肢を

同じRC 造のマンションでも「分譲」と「賃貸」ではアピールのポイントが少し異なる。分譲マンションの場合は図面の情報のみで販売することが多いが、賃貸マンションの場合は入居希望者が実際にお部屋を内見して決められるので、第一印象と暮らしやすさを意識し、シンプルながらも暮らしやすく、選択肢を増やせられるよう工夫を凝らした。

貸室は全て1K・1R の間取りであるが、壁紙や建具の配色を変えて2パターンを用意。テイストに変化をつけ、フロアごとに変えている。さらに部屋はプランも変えて、タイプによってはキッチンが対面式であったり、引き違い扉でキッチン側とリビング側をセパレートできたりと、住まわれる方のライフスタイルによって選べるように工夫した。テイストの違いとプラン別の組み合わせを考えると選べる幅が大きく広がり、飽きのこない部屋選びをすることができるだろう。

三軒茶屋は、平地であり近場へのアクセスの良さから、自転車の利用者が多いのが特徴とも言える。区の条例で「戸数100%」の駐輪場を設けなければならないが、一般的な計画をおこなうと、各自転車の間隔を50 ㎝、確保しなければならない。そこで今回は「スライド式」を採用。20 ㎝間隔にし、可動式にすることでスペースの削減と自転車の出し入れをしやすくなるように配慮した。

エントランスはロビー前に風除室を計画していたが、ロビーが狭くなってしまうこともあり、建具を外して外構と同じ仕上げを室内まで伸ばすことで視覚的に広く見せるようにした。床のタイルはホールまで伸ばし、共用廊下を境にカーペットにすることで空間の切り替えを図った。カーペットは、高級感の演出と歩行時の遮音性も兼ねている。またエントランス正面に管理室があり、入ってすぐに窓を設置することで、視覚効果により「誰かに見られている」という防犯効果を利用した。

人との接触が嫌厭される昨今、「宅配ボックス」の需要が高くなり「シェノン三軒茶屋」も毎回暗証番号を変えて利用できるタイプのものを設置。防犯上対面が気がかりな人や多忙で受け取りが困難な人も安心して利用が可能。

シンプルながらも、選べる選択肢が多く暮らしやすい「シェノン三軒茶屋」は、新旧入り混じるこの地に長く根付いていくことだろう。

(フリークス/堂山毅氏 談)

構造︓RC 造
用途︓共同住宅
規模︓地上5階
事業コンサルタント︓東急株式会社
設計・監理︓フリークス
施工担当︓村山・田所・渡辺
竣工︓2021 年5 月
撮影︓アック東京

2021年12月13日 at 10:03 AM