264-3 大明荘

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

辿りついた安らぎの空間

昨年12 月に竣工いたしました、専用住宅の「大明荘(たいめいそう)」です。

昭和初期よりこのエリアにお住まいであった建て主の大塚様が、これからの人生、ご家族でゆっくりと過ごせる快適な住まいを建てたいという想いから計画がスタートいたしました。

もともと当地には大塚様の事業の一環で利用されていた建物がありましたが、ご夫妻の新たな住まいにとマンション探しをされるも、どこも帯に短し襷に長しで見つからなかったこともあり、思い切ってこの土地に建て替えを決断されたそうです。これまで事業用の多くの建物を建てられたご経験のある大塚様が、今回21 棟目にして初めてご自身の住まいを建てられました。

「将来万が一車いすを使うことになったときのためにバリアフリーにしてほしい」とご要望され、その他は計画ご担当の板倉様、設計者の志保澤氏にお任せという形で設計されました。「大明荘」というお名前は奥様のお名前から付けられています。

建物はバリアフリーを意識し、収納以外の内装建具はウォークインクローゼットおよび1 室を除き、全て引き戸となっています。また、吊り戸にすることで足元の段差を解消。
車いすでの生活になってしまった場合を想定し、エントランスは緩やかなスロープ。壁面には手すりを設置しています。 洗面所には高さの調整出来る洗面台を設け、いつでも使いやすい仕様に。2階へはエレベーターを使用して行き来ができます。

リビングには木の温もりを感じる家具や絵画がしつらわれ、落ち着いたご夫妻の寛ぎのスペースとなりました。
ご夫妻で囲碁を始められて40 年。以前のお住まいからお持ちになられた囲碁盤は椅子に座りながら使えるよう、出入りの家具屋さんにキャスター付きのものを作っていただきました。

ご夫妻いわく、「囲碁を通じていろいろな方と知り合うことができ、輪が広がりました。建替え前の建物にヨーロッパ出身のプロの卵や、中国のご夫婦ともに九段のプロ棋士夫婦が住んでいたこともあります。囲碁の経験は長いですが、実は家内とは過去に一度して以来対局したことがないんですよ。
今までの住まいは延べ坪360 坪。5 か所の出入口が外部に面しています。毎日新居に通って、このこじんまりとした住まいはどうかなと初め思いましたが、ここが1 番安らぐんです。 『プライベートな空間の造り』のおかげで、緊張やストレスが解放されほっとします。マンションでなくて良かったなぁ、と感じています。これまで大きな建物に住んでおり経験のなかったご近所付き合いの始まりを楽しみにしています」とのことです。

これから安らぎと快適な生活を送っていただける建物がまた一つ、ここに完成いたしました。

(編集部まとめ)

構造︓RC 造
規模︓地上2階
用途︓専用住宅
設計・監理︓志保澤一級建築士事務所
竣工︓2021 年12 月
施工担当︓能田・鍋島
撮影︓アック東京

2022年3月11日 at 6:53 PM