148-4 永田町の事務所移転改装工事
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①エレベーター前のエントランス。向かって右側の扉を開けると広々としたスタッフ執務室。向かって左側には、最大 16 人掛けの会議室のほか 3 つの会議室。そして、立礼式の茶室が入っている
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②一番大きな会議室。会議室はすべて廊下側の壁の上下に複層ガラスを貼り、中央はグラスウールで防音した壁にダイノックスシートを貼っている
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③窓の外に高層ビルがそびえ立つ中会議室
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④会議室の廊下は隣り合う扉をアルコープにし、変化をつけている。カーペットも落ち着きのある濃い色にし、室内とはゾーニングしている
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⑤茶机(ちゃき)の入る前の茶室。右側が収納で小窓を明り取りに設け、左側が 床の間。鉛仕上げの壁に、間接照明が映える
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⑥武者小路千家の千宗屋(せん・そうおく)氏と桜製作所の共同製作による現代空間に溶け込む茶机「天遊卓(てんゆうじょく)」が入った室内
撮影:編集部
「立礼式茶室でお客様を迎える、法律事務所」
以前、弊社で「自己責任の家」を建てられた H 様より、このたび日本橋の事務所から永田町のビルへの移転改装工事を拝命しました。事務所成長のためですが、オフィスの賃料相場が下がっていることもあり、2 倍の広さを確保することができたということです。特徴的なのは、立礼式の茶室をオフィスに設けられたことです。H 様にお話を伺いました。
「遡れば 8 年前に盆栽を始め、そのときから『盆栽をやるなら、まずお茶をやりなさい』というアドバイスを受け、以来長年お茶をやりたいという気持ちを持っていました。今年に入り、麹谷宏先生から東大寺二月堂で『桜とワインの茶会』にお誘いいただき、それをきっかけに北見宗幸先生にお稽古をしていただくようになりました」「事務所に茶室を置く事にしたのは、自分の精神修養にもよく、お客様とも一層親密な関係
が構築できると思えたからです。細かいデザインは辰の紹介で牧野令さんにお願いしました。低い卓の高さに腰壁を合わせていただき、床の間のライトも絶妙です」
モダンリビングにぴったりの立礼式の茶室。新しいオフィスで皆様、益々お仕事に張り合いが出ることでしょう。
(編集部まとめ)
所在地:千代田区
構造:SRC 造
規模:地上 9 階の 6 階部分
用途:事務所
基本プランニング:H 様
実施設計およびデザイン:牧野令
お引渡し:2012 年 6 月
施工担当:中村