178-2 株式会社博水社 本社ビル 

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

飲料のイメージを建物に

 

「わ・る・な・ら、ハイサワー♪」のCMでおなじみの飲料メーカーの本社ビルである。創業63周年を迎え、西小山商店街の商店街活性化にも積極的な3代目社長との日頃のお付き合いから、今回設計をさせていただくことになった。
外観は、コンクリートの打設時に、型枠にボイドとスチロールで大小の○型を入れ、仕上げは白い撥水剤を施して、清涼感あふれる炭酸飲料のイメージを持ったファサードとした。
また、会社のサインとなる1階の丸い看板には、気泡を仕込んだアクリル板を用いて、夜、LEDの照明が入ると、光がその小口を照らして、細かな炭酸の泡が浮かんで見えるようになっている。ファサードの形もまた、法的制限をグラスの形に載せながら、ユニークな外観としてアピールしている。
1ー2階が事務所、3階は更衣室になっており、室内は製作家具や建具など、すべて白で統一している。
昭和の味を伝える飲み物は、今や日本中に商品を発送し、昭和の味わいを残すこの地域の商店街で、皆に愛されている。

(加藤雅明氏/m-SITE-r代表 談)

 「まちづくりは設計だけじゃない ~フリーペーパーで人と街をつなぐ~」

今回設計を担当された「m-SITE-r」の加藤雅明氏は西小山に暮らして12年。この町のゆったりとした雰囲気をこよなく愛する建築家です。

西小山は歴史のある商店街ですが、長らく駅によって品川区側と目黒区側に分断されていました。それが5年ほど前、駅の地下化工事により5つの商店街がスムーズに繋がる条件も整い、住民の高齢化や後継者不足により閉店を余儀なくされて店が減っていた商店街を、改めて活性化させようと有志がフリーペーパー「24580(ニシコヤマ)」を発行することになりました。その中心となって編集・発行を行っているのが加藤氏です。
「この街に暮らして、そろそろ恩返ししたいなと考えていました。この事務所、『都市のツリーハウス』も活性化の一端として、皆に育ててもらえる建築をめざしています。基本のRC造の骨組みは成長する木。枝に木の床を載せるようにフロアを作り、外壁は銅版を貼って、緑青で緑に変わっていくさまを皆に見守ってもらう。2013年5月には、『西小山ミステリーツァー』という商店街活性化企画と連動させて、2日間にわたって延べ700人の参加者に、外壁にする銅版に桜の花びらの刻印をトントンと打ってもらいました。皆さんに、自分の手が入った建築として見守ってもらい、10数年後には街のシンボルツリーとなるといいですね」と加藤氏。

「24580」は年2回ほどのペースで発行。現在400店あると言われる商店街の店舗だけでなく、街で暮らすさまざまな人にスポットを当て、洗練されたデザインで人と街をつなぐ存在になっているようです。


http://freepaper24580.blogspot.jp/

 

2015年1月14日 at 3:50 PM