トップ4項目でご紹介しています。全ての記事をご覧になりたい方はバックナンバーのPDFをご参照ください。

198-1 パスカル

写真は、新橋に竣工した油圧機械商社「日工産業株式会社」様のビルです。渋谷駅の再開発に伴い、新橋へ移転され、初めて自社ビルを建てられることになりました。
取材にお伺いしたときに油圧機械についてお尋ねしたところ、会長様から「油圧式とはパスカルの原理をもとにした技術です」と言われました。
久しぶりに聞いた「パスカル」という名前。「定理」は思い浮かびましたが、「原理」ははて、ということで復習しました。すなわち「流体が密閉容器の中に入れられていて、各分子が静止している場合、あらゆる地点の圧力は等しくなる」というものでした。油圧の原理はここからスタートします。また、台風のニュースなどで耳にする気圧の単位は「(ヘクト)パスカル」となっています。これも、流体力学、気圧研究への彼の貢献に対して設けられたものです。フランスの旧500フランのお札の顔にもなっていたパスカル。どのくらいすごい人だったか、改めてご紹介します。
 1623年、フランス、クレルモンに生まれたブレーズ・パスカルは、10歳にもならないうちに「三角形の内角の和は2直角である」といった理論を自分で証明するなど、幼少期より天才ぶりを発揮。行政官だった父は教育熱心で、一家はパスカルが10歳のときにパリへ移住します。自宅は数学者や科学者などが訪れるサロンのようになって、家庭で英才教育を受けていたパスカルは、そうした集まりでも様々な知識を得たと言われています。
16歳で「円錐曲線試論」(パスカルの定理)を発表。17歳で「機械式計算機」(パスカリーヌ)の構想・設計・製作に着手し、2年後完成。以後、数年の間に真空に関する実験などを行い、パスカルの定理をはじめとする、自然科学に関する幾多の偉業を完成しました。
一方で、23歳の頃から、当時流行っていた、ジャンセニスムというキリスト教の一派を信仰します。28歳のとき父が死去し、妹はポール・ロワヤル修道院に入りました。当時この女子修道院は「学校」として多くの学派が生まれる場所となっており、一時、社交界に出入していたパスカルも、ある宗教的体験から熱心な信仰生活に入り、この修道院に近い立場でイエズス会に対抗して、神の恩寵について弁護する論を展開します。
『プロヴァンシアル(イエズス会の道徳観を非難)』を発表した33歳頃からは癌と思われる病と闘い、病の痛みを忘れるために研究に没頭していったと言われています。そして39歳という若さでこの世を去りました。
 有名な『パンセ』は著作ではなく、死後残されたノートやメモなどを友人らが編集して作られたものです。残されている多くの箴言にかの有名な「人間は考える葦である」という言葉があります。
「人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。彼をおしつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。蒸気や一滴の水でも彼を殺すのに十分である。だがたとえ宇宙が彼をおしつぶしても、人間は彼を殺すものより尊いだろう。なぜなら、彼は自分が死ねることと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。宇宙は何も知らない(以下略)」 と、鋭い人間性分析で、キリスト教以外の人にも響く言葉が連なります。
亡くなる半年前に、パスカルは「5ソルの馬車」と呼ばれる乗合馬車のシステムを着想・発明し、パリで実際に創業しました。当時、馬車といえば、富裕な貴族が個人的に所有する形態しか存在しておらず、パスカルの実現したこのシステムは今日のバスに当るもので「世界で初めての公共交通機関」と言われています。ソーシャルビジネスの先駆者でもありました。

198-2 日工産業株式会社本社ビル

青雲の志をかなえた はじめての自社ビル

 渋谷・桜丘に本社を置く油圧機械商社が、渋谷駅周辺の再開発に伴い、移転されることになった。新橋に代替地を見つけられて、渋谷の当事務所が設計をお引き受けし、施工も同じ渋谷にある辰が請け負うことになり、3社による渋谷チームが結成された。
敷地はビルの立ち並ぶ市街地のため、最大限の有効活用が必須。天空率を利用し、高さを持たせ、ファサードにはカーテンウォールを採用し、落ち着きのある洗練されたビルを建ち上がらせた。
1階はエントランスと車庫、2階は、受付、会議室、応接スペースなど。3階-5階は事務所、地下1階は部品倉庫を配置した。屋上にはデッキを敷き、虎の門ヒルズを遠くに眺めることのできる心地よい空間になっている。階段室と各階の事務室はガラスで仕切られており、大きく取った開口部からの光が、階段室を通して内部まで行き届く。
3-5階は、各フロア同じプランであるが、5階は役員室が置かれる予定で、床の仕様も落ち着いた色調のカーペットを採用している。
11月にご入居の予定であるが、50年前に長野から東京へ進出された会長は、初めての自社ビル完成に「青雲の志をかなえることができた」と非常に喜ばれているとのことである。
(秋山研介氏/石原山口計画研究所 談)
構造:S造
規模:地上5階、地下1階
用途:事務所
設計・監理:石原山口計画研究所
竣工:2016年7月
施工担当:竹原
撮影:アック東京

198-3  佐藤直人/日工産業株式会社 代表取締役

油圧機械のサービスエンジニアリング

「これからは、ロボット技術が大きく発展するので 油圧分野も変わってくると思います」

今月は、建築概要でご紹介した「日工産業株式会社」の佐藤直人社長に登場いただきます。
「日工産業株式会社」は、現会長の佐藤東和太氏が、昭和40年に設立。昭和44年に創業を開始、47年目を迎える、油圧機械の販売会社です。
お引越しを前に、弊社から徒歩5分のJR渋谷駅近くにある現在の会社で取材させていただきました。
―油圧機械は、私どものように一般の人間が普段意識して目にすることがない機械なのですが、主にどういうところに使われるものですか。
佐藤:一般産業機械や建設機械、自動車、飛行機、船舶など、大きな力を必要とする部分に多く使われています。例えば、飛行機の翼とか車輪の出し入れなどは、空気圧式や電動では弱いのですね。非常に大きな力が必要となり、制御が容易で応答性の大きい油圧式が用いられます。
パスカルの原理(密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点に受けた単位面積当りの圧力をそのままの強さで、流体の他のすべての部分に伝える)をもとにして、小さな力で大きな仕事をするのが、油圧式の特徴です。当社ではあまり建設機械を扱っていませんが、ショベルカーなどは、典型的ですね。その多くが日本で生産されています。日本のショベルカーは世界を制したともいえるのではないでしょうか。
―部品を売るだけでなく、装置も設計・製作されています。
佐藤:うちの特徴は、有資格者が多いことですね。営業の男性はほとんどが、厚生労働省認定の一級油圧装置調整技能士です。営業も、設計の相談や、メンテナンス、調整なども行える技術者集団です。サービスエンジニアリングですね。社内での研修もきちんとしており、他メーカーの研修を受けるようにもしています。
―得意分野などございますか。
佐藤:多岐にわたっています。一般の産業用機械や、工作機械とその周辺機器、電気部品や制御盤、情報関連機器も受注しています。環境関連では、ごみの破砕機、圧縮機ですね。生ごみを圧縮して水分と分ける―その先は、また納入先が環境に配慮した活動を行うことになります。
主な仕入れ先は、油研工業ですが、他にもグローバル企業を含めて、500社以上の取引先があります。大学や工業技術院など官公庁ともお取引させていただいています。
 我々の仕事は企業の「設備投資」にかかっています。東京オリンピックを4年後に控えて、景気の回復が期待できると言われますが、まだリーマンショック以後の回復傾向が伝わってきている感じはないですね。まず大手さんが見積もりを出して、それから下に波及してくるまでには時間がかかります。東京オリンピックもあっという間にやってきます。早くインフラが動き始めてくれるといいですね。為替の動向にも左右されます。輸入、輸出業者の会社は、非常に影響を受けます。頭の痛いところです。
 機械の動力は、昔は油圧式が多かったのですが、今では空気圧、電気エネルギーでも大きなトルク(回転力・駆動力)を出すことができるようになり、油圧の分野に進出してきています。ただ、ものすごく大きなトルクはやはり油圧でなくてはなりません。
それから、最近、産業用だけでなく、介護用、福祉用の開発が著しいロボットの分野ですが、高精度な動きに応えてきた電動式に対し、大きな力を瞬時に出したり、人間のように微妙な力加減を働かせたりする動きには、油圧式が適していることがわかってきて、そちらの方も伸びていくと思われます。
特に日本はこれから労働人口が少なくなることがわかっていますから、将来的には、ロボットと一緒にやっていかなくてはならないと思います。
―今回、新しく建てられたビルは、地下の倉庫分が広くなったのですね。
佐藤:これから新橋の新社屋を軸にして、出張所や営業所を広げるなど、ますます営業活動に弾みがつけばと願っています。

 

日工産業株式会社

1965年 佐藤東和太氏、会社設立
1969年 油圧、空圧機器全般の販売を目的として 創業開始
1970年 ㈳日本フルードパワー工業会へ加入
2012年 佐藤直人氏社長就任  現在 社員29名。 そのうち国家資格の 油圧装置調整技能士は14名
2016年 秋 新橋の新社屋に移転予定佐藤直人社長

 

198-4 「リニューアル物件&木造新築物件、承ります!」

05二軒家アパートメント (2003年竣工) 外壁コンクリート打ち放し部分、屋上、ルーバー等のリニューアル工事を行いました。コンクリートの力強さが蘇った感じです。

05二軒家アパートメント
(2003年竣工)
外壁コンクリート打ち放し部分、屋上、ルーバー等のリニューアル工事を行いました。コンクリートの力強さが蘇った感じです。

 

弊社では新築工事のみならず、リニューアルにも力を入れています。施工物件のメンテナンスだけでなく、コンクリート打ち放しの外壁改修工事、リノベーション工事、その他改修工事全般を承っています。
また、木造分野に経験豊富なスタッフもいることから、こだわり建築を中心とした木造新築工事も承っています。現場に応じた最適な工法に対し、施工していくことが可能です。
少々フレッシュさに欠けるスタッフではございますが、お客様・設計事務所様のご期待を越えられるよう、精一杯頑張る所存です。どうぞお見知りおきください!

(部長:齋藤)

01 部長 齋藤元宏 一級建築士  一級建築施工管理技士

01 部長 齋藤元宏
一級建築士 
一級建築施工管理技士

02 次長 小関敏幸 一級建築施工管理技士

02 次長 小関敏幸
一級建築施工管理技士

03 特任課長 宮島利夫 二級建築施工管理技士

03 特任課長 宮島利夫
二級建築施工管理技士

04 係長 畠中広隆  一級建築施工管理技士

04 係長 畠中広隆 
一級建築施工管理技士