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230-1 以茶會友(イーツァホェヨウ)

 

「台湾茶藝館桜樺苑(インファエン)」月窓  撮影:アック東京

「台湾茶藝館桜樺苑(インファエン)」月窓  撮影:アック東京

写真は、4月10日にグランドオープンした、台湾茶藝館「桜樺苑」(インファエン)の大きな「月窓」です。「月窓」は、昔の台湾・中国の邸宅や庭園の入口にもうけられていたもので、大切な人をお迎えする気持ちと異国への入口という意味合いが込められています。
店舗オーナーの何宛樺(か えんか)様は台湾出身のご両親に育てられ、25年勤められた会社を早期退職して、この度、このお店を始められました。今でも台湾と日本を頻繁に行き来されるお母様の何李純子(かり すみこ)様にも、一緒にお話を伺いました。

―宛樺様ご自身は日本で生まれ育って、日本の企業に長年お勤めでいらっしゃったわけですが、台湾茶藝館を始めようと思われたきっかけは?

宛樺:昔からお店をやりたかったんです。特に香り高い美味しい台湾茶を、ぜひ日本の皆さんに紹介したいと思いました。家を建て替えるタイミングもありましたし、最近三軒茶屋も駅から少し離れたところでも人通りが多くなり、この場所でも隠れ家的でいいなと感じました。
「以茶會友」(イーツァホェヨウ)という言葉があります。「お茶を以って友に会う」という意味。台湾茶を通じ、様々な方が出会う場所、多くの友が集まる場所を作りたかったのです。
オープンしてからいろいろな方が見えましたが、何年も会っていなかった友人が会いに来てくれたり、昔台湾でお仕事をしていらした近所の方が懐かしむ感じでいらっしゃってくださいました。
デザインの保田先生が、斬新な色合いのインテリアを提案してくれて、いろんな文化をミックスしたおしゃれなものができたと思います。
壁に飾られた大きな扇は、旧知の方からのお祝いの品。実は昔父がその友人に差上げたもので、この度里帰りしてきたものです。
純子:扇に描かれている竹は「竹報平和」というめでたい意味があります。台湾では言葉を実際に大事にする文化がありますね。
宛樺:月窓の吉祥文様は「富貴平安」という意味で、元々瓢箪と大昔銅の糸で縫われていた丸い銭が描かれるものです。(今回は桃がアレンジされている)お店の名前は、4月生まれの私が好きな「桜」と名前の「樺」を合わせたもの。「花」と同じ音(ファ)で「樺」を使い、人が集まる所「苑」で、「桜樺苑(インファエン)」という名になりました。お茶を通じて、いろんな方に来ていただき、くつろいでいただきたいですね。
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母上の何李純子様(左)と 何宛樺様(右)

鮮やかな色彩の異国情緒あふれる店内。月窓で区切られたスペースは台湾情緒豊かなサロンのような席。桜材のカウンター席の前には茶缶を模した茶器棚がノスタルジックな趣を醸し出し、テーブル席からは素敵なお庭を見ながらお友達とおしゃべりが弾みそうです。
奥の個室は、1920年代のヨーロッパのアンティーク家具がどこか懐かしく、誰にも邪魔されない空間を提供しています。桜模様の赤石がポイントのテラス席では、季節感を感じながらのんびり。ワンちゃんも一緒に楽しめます。
皆様もぜひ一度、美味しい台湾茶を堪能されてみてはいかがでしょう。
<お店情報>

世田谷区三軒茶屋1-5-9
田園都市線 三軒茶屋駅から徒歩7分
営業時間:11:00-19:00
ラストオーダー:18:30
定休日: 日曜日/月曜日

台湾茶と一緒に台湾風の軽食とスイーツも楽しめます。

https://www.ying-hua-yuan.com/

230-2 k-house(桜樺苑)

異なる文化、時間がフュージョンした店舗併用住宅

ご自宅の建替えとオーナーが始められる「台湾式茶藝館」を併設するという計画である。3年前の春、最初に訪れた既存の建物は、昭和の懐かしい木造の豪邸であった。2階建て、南側にお庭があり、その木々の中でも「椿と柿はぜひ残してほしい」という皆様のご希望であった。
半年ほどスタディを重ね、秋にはボリュームが決まったが、南側の日が当たる暮らしの記憶をご家族の身体が憶えていると感じた。母上のアトリエ、オーナーの書斎、水周りとトイレなど「窓際においてほしい」というお部屋が多かったため、リビングは窓一面だけで大きく吹抜けを設けて、各部屋が居心地の良い窓際を持ちながらリビングにもつながる構成とした。ご家族がいつでも互いの気配を感じられる距離感がいい。2階リビングの木目斜め天井は、解体した旧邸のリビングの天井が斜めだったため、お庭の木とともに、旧邸の面影を引き継いで時間軸を継承している、
父上は戦後、来日されて日本の学校に通い、オーナーもまた生まれた時から日本で暮らしているが、学校はフランス系ミッションスクール、仕事で海外に行かれることも多かった。母上は台湾から嫁いでこられ、今でも台湾のご自宅と行き来されている。弟様はアメリカ在住で台湾と日本とを行き来している。インテリアには様々なマテリアル・多色使いをし、納まり(orディテール)をミニマルにすることでそれらを融合させた。
1階店舗は、商店街から一歩入った住宅街に接するため、主張するより通りかかった人を徐々に誘導するアプローチに。店に入ると大きな「ムーンゲート(月窓)」がお客様を迎える。これはお客様を歓迎する台湾の伝統的なスタイルで、格子は吉祥文様。オーナーと台湾へ視察に行った際に見つけた伝統文様を描き起こし、データにて発注した。店内はオーナーの華やかで上品な雰囲気を反映する新しい色合いを提案した。今後も「以茶會友」の言葉が示す通り、美味しいお茶が縁となるお客様の憩の場となることを願う。

 (保田佳美氏 談)

構造:RC造
規模:地上3階
用途:店舗・住宅
設計・監理:保田佳美/インクス
竣工:2018年12月
施工担当:谷田
撮影:アック東京

230-3 設計・デザイン・BIM、多彩な仕事で自分を活かす 保田佳美/株式会社インクス

 

今月は、K-house(桜樺苑)の設計を担当された、保田佳美氏にお話を伺います。

―建築関係に興味を持ったきっかけは何ですか?

保田:母校の普連土学園を設計したのが大江宏だったことからですね。
大学の専攻は建物の設計というより、まちづくりと街から捉えて建築を勉強する「環境システム学科」に進みました。建築をまちづくりから考え、複合的な再開発を多角的に解析していけるような人間を育てる学部で、新設されて3期目、新しい学部でした。当時は手描きが主流で、ようやく2DのCADに移行しようとし始めている時代でしたが、先駆けて3DのCADでの設計や3DモデリングからのCGも学びました。一昨年、私の事務所が事業統合した㈱インクスは、BIMのコンサルティングをやっている会社ですが今は自分が学び始めた原点に帰っている感じですね。

大学卒業後は、店舗など商業施設の内外装デザイン・プロデュースを行っている会社に入りました。その中でも私は、施設のマスタープランニング・コンセプト立案~デザインを担当しました。全体の計画を立てていく部署でしたので、街の中から、施設全体として、アプローチや回遊性を考え「目線・動線」を育ててもらいました。

4年ほどいて、その後10年、建築の設計事務所に勤めました。26歳の転職だったので、マンションや住宅などだけではない、様々な用途のものを手掛けている事務所を探したのです。師匠が前川國男事務所出身で、ビジネス感覚とデザイン性を両立させている事務所でした。その時代でもまだ珍しかったのですが、3DとかCGを自分でモデリングできたので、仕事に活かせたと思っています。

―設計もでき、そのような技術もあると、強いですね。
保田:そうですね。外注でもいいのですが、設計意図を自分達が思うように表現できるわけですから、事務所としてのフットワークはよくなります。神社の拝殿から、病院、ホールなども手掛ける事務所で、住宅、マンション、事務所ビル、老人ホームなどいろいろ担当しました。

学習塾の設計ではコンセプトや空間にこだわりがあるクライアントが、特に色を重視されていて、こちらもウィリアム・モリスの壁紙を提案したりして、内装色彩計画、ピクトサイングラフィックも好評でした。ジェイアール東日本建築設計事務所での経験も含め、商業施設の設計での色彩・動線・ピクトサイン計画などの経験が、多用途の建築設計にも活かせていると思います。

大学で学んだシステマティックな目線を持ちながら、全体を見ることを学んできた保田さん。建築設計に軸足を置きつつ、目線はまちづくりでありたいと願い、デザインだけでも、PMだけでもない、特定の用途専門に設計を絞ることもなく、いろいろな面を使ってもらえる人でいたいと2014年独立。弊社でも神宮前に2016年、テナントビルの施工をさせていただきました(Cabina表参道)

保田:何家の皆様とお引き合わせいただいたのがちょうど3年前。新たに茶藝館を作るにあたり、台湾で流行中のJAPANESE ZENなデザインを日本に持ってきても、お客様は台湾っぽさや異国情緒を感じることはできないと思いました。宛樺様も同様に感じられていて、お付き合いが深まる中で感じた宛樺様の雰囲気をより活かせる、シノワズリ・プラナカンのようなアジア×ヨーロッパというフュージョン感の出る内装を提案しました。

 

※台湾では茶藝館というと、日本時代の建物をリノベーションした侘び寂びを感じさせる店や、逆に石やダークカラーの木材を用いた重厚感のある中国の大陸系デザインが少なくないとのことで、「それは違う」と宛樺様も感じられていたそうです。

―店舗と住宅を1度に設計する上で心掛けられたことはどんな点ですか。
保田:建物の設計と店舗の内装、さらに店舗のコンセプトとデザイン(内装、サイン、パッケージデザイン等)がバラバラにならないように注意を払いました。対話を重ねた上で、まず根幹となるコンセプトを立て、そこから建築、内装、店舗、それぞれのデザインのコンセプトに派生させ、関係者に浸透させる。これはお施主様、設計者、サインデザイナーだけでなく施工者・職人さんまで全員が同じ方向を向くことができるからです。店舗ならなおさら、ここがいかにぶれないかが事業収支にも影響します。
今回は、3カ国を行き来するご家族3人を包み込み、ベースキャンプのような「いつでも帰ってこられる場所」というコンセプトの下、3枚の表皮が包み込む外装を考えました。日本古来からある「折形」に着想を得て、枝ものを包む「木の花包み」の形を外壁のレイヤーに反映させました。
全員で一つのチームになってものを作り上げる楽しさをもっと知ってもらいたいということも、独立当初からの思いの一つです。辰さんはそういう意味でも、いっしょに考え、共に作り上げてくださる施工会社の一つだなと感じました。

―本日は、どうもありがとうございました。

保田 佳美(やすだ よしみ)
神奈川県生まれ

1997年 芝浦工業大学システム工学部環境システム学科卒業
1997年 株式会社スペース
2001年 株式会社アル.パートナーズ建築設計
2013年 株式会社ジェイアール東日本建築設計事務所
2014年 KRATER DESIGN 設立
2017年 株式会社インクス

おもな作品
Cabina表参道、アーバンフラッツ湯島

230-4  2019年度新入社員紹介

幾原 綾美(いくはら あやみ) 国士舘大学 理工学部 理工学科 健康医工学系 建築系は無知ですが、いろんな事を吸収し日々成長していきたいです。よろしくお願い致します。

幾原 綾美(いくはら あやみ)
国士舘大学 理工学部 理工学科 健康医工学系
建築系は無知ですがいろんな事を吸収し、日々成長していきたいです。よろしくお願い致します。

前田 智希(まえだ ともき) 千葉商科大学 政策情報学部 建築関係の知識もなく、社会人としてもまだまだ未熟者な新人ですが、どうぞご指導の程よろしくお願い致します。

前田 智希(まえだ ともき)
千葉商科大学 政策情報学部
建築関係の知識もなく、社会人としてもまだまだ未熟者な新人ですが、どうぞご指導の程よろしくお願い致します。

 

田中 舜一郎(たなか しゅんいちろう) 鮮文大学校 建築学部 建築工学科 尊敬の気持ちを忘れずに、ひたむきな姿勢で誠実に仕事をしていきたいと思っています。

田中 舜一郎(たなか しゅんいちろう)
鮮文大学校 建築学部
建築工学科
尊敬の気持ちを忘れずに、ひたむきな姿勢で誠実に仕事をしていきたいと思っています。

長谷川 達也(はせがわ たつや) 城西大学 経営学部 マネジメント総合学科 私は建築を全く習っていない状況の中でこの仕事をできるか不安に思っていましたが、現場監督をして自分の家を施工してみたいと思っていたので、この環境で頑張っていきたいです。

長谷川 達也(はせがわ たつや)
城西大学 経営学部
マネジメント総合学科
私は建築を全く習っていないので不安に思っていましたが、現場監督をして自分の家を施工する夢のため、頑張っていきたいです。

鍋島 周平(なべしま しゅうへい) 東京国際大学 経済学部経済学科 現代経済専攻 文系の大学を卒業しているので、わからないことだらけですが、会社、お客様に一つでも貢献、お役に立てるよう精進してまいります。宜しくお願い致します。

鍋島 周平(なべしま しゅうへい)
東京国際大学 経済学部経済学科 現代経済専攻
文系の大学を卒業しているので、わからないことだらけですが、会社、お客様に一つでも貢献、お役に立てるよう精進してまいります。宜しくお願い致します。

小野 里奈(おの りな) 東京理科大学 工学部 建築学科 ようやく実践的に自分が建物を造りあげられると思うととても嬉しく思います。構造にはあまり自信はないですが、できる限り一生懸命励みたいと思いますので、よろしくお願い致します。

小野 里奈(おの りな)
東京理科大学 工学部 建築学科
ようやく実践的に自分が建物を造りあげられると思うととても嬉しく思います。構造にはあまり自信がないのですが、できる限り一生懸命励みたいと思いますのでよろしくお願い致します。