133-2 OTM

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

 撮影:阿野太一

「広場を囲む街並みに配慮した、混構造のビル」

麻布十番の中心的な広場「パティオ十番」は、都市計画上は広場でなく幅25m、長さ 45mほどの道路である。今から 25 年ほど前に広場として整備されたが、取り囲む 10 棟ほどの建物はそれぞれ自由に建てられている。この建物の敷地は、その広場の入口の角地に位置しており、築 35 年、地上 5 階建ての既存の建物から、地上 8 階の建物にという計画が、街並みに対して突出したものにならないようにとの配慮を、建て主から求められた。

そのため隣接するアパートメントに高さをそろえる形で 6 階までをSRC造とし、内部に設けた 4 本柱のラーメン構造を主体としている。外周部の跳ね出し部に腰壁状の鉄筋コンクリート壁を配して、間に溶融亜鉛メッキ燐酸処理鋼板を貼り付けている。
その上部 2 層のオーナー邸部分は鉄骨造の組柱に切り替えて、4 隅に 3 本ずつ鉄骨の柱を設けて、下層部との剛性の均一化を図っている。壁面をセットバックさせてガラススクリーンを外壁に立て、周囲に対し存在を消去させる、ミニマリズムのアーティスト、ドナルド・ジャッドの作品のようだと評されたのは、うれしく思った。
構造の金箱温春先生の厳しい構造監理の下、施工者もやり直しを求められたり、設計の変更もあったものの、今回のような激甚災害を目の当たりにすると、改めて厳密な構造監理の重要性を認識する次第である。
なお、われわれの事務所のある麻布という地の、馴染みのある場所での仕事は、楽しいものだった。今後もこのような機会があれば、と思う。

 (北山恒氏 談)

所在地:港区
構造:SRC 造+一部 S 造
規模:地下 1 階、地上 8 階
用途:物販店舗、住居(賃貸・オーナー)
設計:北山恒/architectureWORKSHOP
構造設計:金箱温春/金箱構造設計事務所
施工担当:岩泉、寺井、池山
撮影:阿野太一

2013年3月27日 at 2:00 PM