206-2 大門KUROGIビル

用途: 竣工年月: 場所: 設計: 構造: 規模:

オーナーのこだわりを実現する、都心の日本料理店

 人気日本料理店のオーナーの新たな店舗である。
以前のお店は、湯島で民家を改装されて使っていらしたが、今回、芝大門のすぐ近くにビルを建てられ、客席数は半分に減ったが、より厳選されたサービスを目指されている。
通りに面した敷地は50㎡で、地下1階を含め7層となっている。料亭だから、入口を入ってすぐに客席というのでは品がない。そこで、内部に路地空間を作り、お客様に道行きを楽しんでもらう数寄屋スタイルである。内装デザインで協働した杉原事務所が得意とするところである。
建物は中央の客席を中心に、柱型から、さらに外側に空間を作り、そこに階段、通路をあてるようにした。裏動線と客動線をうまく錯綜させて使っている。
フロア計画としては、地下1階に天井高を低く取った倉庫を置き、1階の入口には坪庭を設けている。向かって右側がお客様への入口、左側がスタッフの入口となる。通路には、御影石の敷石を方形乱尺張りで敷き詰め、目地はかまぼこ型にして、ヒールなどが引っかからないよう、調整している。2階、3階に客席、4階が厨房、5階は事務所、6階に冷蔵庫のあるストックルームを配している。
エレベーターは1本あるが、厨房と客席階を結ぶ小荷物用昇降機も設置し、4階の厨房で主だった調理を行って、客席で料理人が最後の一手間を加え、お客様に供することができるようにしている。
 都心でもあり、季節の移ろいをそのまま中に入れるより、茶室などと同様、外の世界を一回拒絶し、環境をコントロールしなくてはならない。外壁は黒っぽいスライスストーンを下見板風に貼り、抑えた色調とし、開口部も極力設けていない。唯一、2階だけは客席から通りを見下ろす角度で窓が街の喧騒をよそに開いている。また3階の避難バルコニーは坪庭の設えで、客席からの目線を下げている。
(児玉卓士氏 談)

構造:RC造
規模:地下1階、地上6階
用途:店舗
設計・監理:児玉卓士/アーキベルク一級建築士事務所
内装設計:杉原デザイン事務所
施工担当:綿貫、青山
撮影:アック東京

2017年5月10日 at 12:14 PM