259-2 Solana Takanawadai

未来に明るい光を感じる住まい

建て主のK 様より「どの部屋もまんべんなく明るく、住む方の居心地が良い建物にしてほしい」というご要望をいただき、随所に明るさを確保し温かみのある建物にしようという想いで設計した。

三面道路に面し、高低差のあるL 型の敷地に建つ「Solana Takanawadai」。
一般的な片廊下形式のプランニングをすると、両側を界壁に仕切られ、開口部は正面の一か所からのみとなってしまい、まんべんない明るさを確保できずご要望に応えられないと思った。そこで、敷地形状を活かし住戸の二面が道路に面するように3つの住棟(細長い住戸・L 型の住戸・台形のワンルーム住戸)に分け、その間に動線を設けたシンプルな構成とした。その建ち方は「戸建てが3棟建っている」という感覚で、各住戸どこでも窓を開けられ、明るさが均等に入るように考慮した。各住棟の間が入口で、吹き抜けた立体路地から各住戸へアプローチする。それは、この住宅街の魅力でもある起伏した路地の体験を内包させたものである。トップライトは、階段室の温度によって開閉するシステム(降雨時、強風時に閉まるように屋上に感知器を設置)を特注で組み込み、光だけでなく風も取り込んだことで屋外に近い雰囲気を演出。立体路地に面する出窓から光と多様な景色を引き込んだ。

住人同士のプライバシーに配慮しながら立体路地に設けた出窓の明かりから、ここに住む人々はこの建物に住むことを共有できるのではと思う。

駅から近い立地で、普段は多くの人々が行き交い、地元の方の自転車が通ったりと人目が気になる。やわらかい光と風を取り込みながら視線を遮るよう、外構フェンスにはエキスパンドメタルを採用。外側からはほとんど見えず、内側からは気配が感じられるように裏と表で2枚貼りにした。

敷地の北側に計画道路の予定があるので、環境の変化に対応できる建物になるよう、階段室側の両側の壁の一部を乾式の認定界壁で作った。そうすることで建物を壊さず改修工事が行なえ、2住戸を1つにしたり、1人の所有者でワンフロアをオフィスとして使ったりと、将来多種多様な使い方ができるよう配慮した。

明るく使いやすいこの建物は、将来の周辺環境の変化に対応しながらも、その思想は変わることなく人々の生活も明るくしてくれることだろう。

(金子太亮氏 談/空間研究所)

構造︓RC 造
用途︓共同住宅・長屋
規模︓地下1階・地上3階
設計︓篠原聡子・金子太亮/空間研究所
施工担当︓池山・小坂
竣工︓2021 年5月
撮影︓新 良太

2021年10月11日 at 8:17 PM